茅ヶ崎 エスニックガーデン

大工さんなしで解体から細かいテーブルの仕事まで店主が自らつくったお店です。設計・デザインと、どうやってつくるかという方法などのアドバイスは私(たましま)が行いました。結果、配管工事、エントランスの建具、大きなガラスの取付工事、動力電源の引込以外は、すべて店主とその友人たち(みんな)でつくりました。なかでも廃材を生き返らせる仕事は、みんなで行い、この店の魅力を作り上げていると思います。

中庭、デッキテラス、テント、廃材に囲まれながらの<空間>を感じるのも気持ちがよいですが、同時に、みんなで工事を行った豊かな<時間>も存在していたということを知って頂けたら幸いです。

 

 

2016年5月23日オープンしました。写真より現地はずっといい雰囲気ですよ。一度足を運んでみてください。そして、店主の優しい人柄に触れてみてください。

 

 

営業時間:17時~23時 定休日:日曜日  電話番号:0467-67-8243

 

 

 

 

2015.12 解体が始まりました。やればやるほど、コツがつかめるものです。腕はパンパンですが解体した後は・・・・爽快です。このお店は、たくさん壊しました。この敷地のポテンシャルを最大限に生かすために視線を閉じていた壁に大きな開口をあけ、天井をなくし、外と内の仕上げを同一にし、鏡やガラスの反射の効果を使い・・・広く開放的に感じられるような計画をしています。そのために必要なだけ、最小限に壊しました。そして、壊したものもお店の魅力となるように。

このようなスケッチから、この計画は、はじまりました。工事中、たくさん店主と話をしながら、いろんなことを決めていく時間は、とても貴重でした。工事が始まる前と後では、つながりの度合いがまるで違う。きっと店主も同じことを感じてくれていると思います。かけがえのない時間をありがとう。

解体した木材の釘を抜いたり、ビスをしっかり分別したり。なんでも捨てたり、効率的に過ごすことに疑問を思ういい時間を過ごせました。解体業者さんに依頼していたら、全てごみと化している木材やビスたち。今後、これらの材をデザインに組み込んだ店づくりをします。結構、使えそうな材がとれた。

木工事は普通は大工さんが行います。しかし、この店づくりでは、大工さんなしでやりきってしまいました。カウンターの切り込み加工やテーブルの留め加工。床の断熱材敷きも含めた2重床工事・・・その他たくさん。木工事をすべてやるのは、誰にでもできることではありませんし、私はあまりおすすめしません。・・・しかし、やりきってしまいました。店主の精神力に脱帽です。

新たな大きな開口部は、視線が壁で通り抜けなかったものが外部まで見通せることで、空間を広く感じられるように。そして、ここからきれいな庭が眺められるように。オープンしてから時間をかけて少しづつ庭が作られる予定です。

丁寧に解体した木材は、この日、集まってくださったみんなの力で蘇りました。みんなでつくった壁が店のエントランス部のファサードになりました。協同して何かをつくるということは、形をつくっているのと同時に、人間関係も作っているんじゃないかと思います。こんな助け合う風景が日本中にあふれたら、豊かな社会ができるんじゃないかなといつも思います。効率を重視しすぎたり、競争しあう社会は、豊かになれない。そう思うのです。

断熱・遮音扉の製作風景。店舗と住宅部分の境界部の扉は重要です。音やにおいがいかないように、周囲をゴムパッキンで枠をつくるなど、私のアドバイスのもと店主が製作しました。ハンドル部は、既成扉のものを再利用してます。

換気ダクト工事は、専門業者に依頼するのが、無難ではあるのですが、店主の希望でDIYすることに。厨房換気計算を行った結果、直径350の換気穴が必要とされ、空調用フレキシブルダクトを採用して費用を抑えました。継ぎ目がないので施工は、割と簡単にできました。もこもこした形が煙が出ているようにも、龍が泳いでいるようにも見えます。

タイル工事とガラス工事の様子。そして、すごいのが電気工事まで店主がやってしまったこと。店主は、実は理系。電気工事の資格までもつ秀才なのです。いやはや、すごい。

サインとロゴは、私の妻がデザインしました。サイン屋さんには、いっさい外注せず、GWに家族と遊びながらホームセンターの工作室に通いました。ジグソーや糸のこぎりを使って文字を切り取り、ヤスリで地道に削りました。妻はスポンジで微妙な風合いをだすために、夜なべペインティング。レーザー加工機でつくられたコンピューターの無機質な製作物とは異なり、手作りなサインができました。

サイン取付と黒く塗り直すための足場には、先につくったゲートを使って、足場費用を無くす計画としています。これでメンテナンスもいつでもできます。

プレオープン。この日は、親しい友人たちだけで集まり楽しいひとときでした。